試験後のリアルなキャリア事情と“収入の現実”


はじめに

行政書士試験に合格して、次に気になるのは「実際に行政書士として食べていけるのか?」ということではないでしょうか。

この記事では、開業後の収入モデル、実務の現状、行政書士として生き残るための視点を、あくまでリアルに解説します。


行政書士の収入構造

行政書士は、基本的に**完全なフリーランス(個人事業主)**です。会社員のような固定給はありません。

主な収入源

業務分野具体例備考
遺言・相続遺言書作成、相続人調査、遺産分割協議書作成高齢者需要が強い、継続依頼あり
建設業許可許可申請、更新、決算変更届など中小企業との長期契約が見込める
外国人関連業務在留資格申請、永住、帰化など語学・専門知識が必要
契約書作成・内容証明離婚協議書、金銭貸借契約などトラブル予防、リピート性あり
風俗・深夜営業許可キャバクラ・バーなどの営業許可一部地域にニーズ集中

行政書士全体の平均年収は?

実際の収入はピンキリです。行政書士会のアンケートや開業支援書籍のデータを参考に、ざっくりとした目安を示します。

開業年数年収の目安
1年目~100万円(赤字含む)
2~3年目100~300万円程度
5年目以降300~800万円超も可
法人化・成功者1,000万円以上

※出典:行政書士会アンケート、独立開業経験者の報告などをもとに推計


なぜ稼げない人が多いのか?

稼げない理由は、決して試験合格者の能力の問題ではなく、以下のような構造的課題が大きいです。

  • 開業=営業・マーケティング力が必要(口コミだけでは厳しい)
  • 専門性が伝わりにくい(他士業と比較されやすい)
  • 「価格競争」になりがち(ネット上に格安業者も多数)

稼げる行政書士の特徴とは?

成功している行政書士には、以下のような共通点があります。

  1. 専門特化している(相続、建設業、在留資格など)
  2. WebやSNSでの集客がうまい(ブログ・YouTube・広告など)
  3. 紹介・士業ネットワークを活かしている
  4. 法人化やスタッフ雇用で業務拡大している

就職 or 開業?どっちが現実的?

行政書士資格での就職は正直難しいです。行政書士法人などの求人もありますが、数は限られ、待遇は高くありません。

収入を目的とするなら、基本は開業(独立)前提です。
ただし、いきなりの独立が不安な場合は、他士業事務所(弁護士・社労士等)で補助者として実務経験を積むルートも有効です。


結論:行政書士は「稼げる」資格か?

行政書士は「稼げるかどうか」が問われる資格ですが、正確には、

“稼げる人は稼げるが、稼ぐには営業力と戦略が必要”な資格

と言えます。

資格=収入の保証ではないものの、地域密着で感謝されながら仕事ができるやりがいのある職業です。


おわりに

この記事では、行政書士試験に合格した後のキャリアや収入のリアルを、なるべく正確にお伝えしました。
「合格=すぐに成功」ではありませんが、しっかり戦略を立てて行動すれば、自分らしい働き方と生活を手に入れることができる資格でもあります。

今後は、具体的な集客方法や業務分野ごとの特徴についても詳しくご紹介していきます。